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第26章 海を翔けて

しがみついたアイルの頭を
やさしく撫でる青年


呆然とするオレ…



そして、それに
全く気づかないアイル





見かねたソウタさんが切り出してくれた。




『ホラホラ!その辺にして!
アイル~、ちゃんと双方に紹介するんだ!』








『あっ・・・は、はいっ…』




我にかえったようにパッと手をはなして
アイルがうつむく



…顔・・・真っ赤だ




『リョウキ・・・ぇと

〃佐良 海翔〃…

えと…私の・・・その…』





言葉をさがすアイルに

何故かオレの心臓が

ドクンドクンと音を立てる



『ぶっ…アイル~…

〃そのまま〃ゆうたらええやん』



カイトが呆れたように笑いながら煽る



オレは何故か余計にドクンドクンと
心臓が高鳴る





『ぅ・・・ぅん』












『〃兄貴〃や』





『えっ?…』


思わず声を上げた





アイルは・・・一人っ子のハズ


しかも…全然似てない









『〃幼なじみ〃って・・・
言えばイイだろ~?オマエら~(笑)』



ソウタさんが呆れて割って入る




オサナナジミ。




…なぜか、オレはホッとしている


幼なじみね…







『あぁ…はい、…うん…』


アイルが少しタジタジした




『ほんで?アイル~…その彼は?』



『あぁ・・・うんっ…

滝川 良希さん…。

私の・・・彼氏』





ちっとも落ち着かないアイルが
モジモジしながらオレをカイトに紹介した




『滝川と申します。初めまして』


『佐良です~どうも よろしゅう♪』







『やれやれ・・・
よし!紹介は済んだな?
3人とも座ってろ~…♪』


『ぁっ…ソウタさん…
お茶なら私・・・いれてくる』



『…そうか?わるいなァ』



アイルがパタパタとキッチンに走っていく

オレは少し
助かった…と思った

何を話せばイイんだ?と
少し思っていたから

ソウタさんが上手いこと
場をまとめてくれる



少し…危なっかしいアイルが
お茶をもって戻ってくる


…よろけてないか?







男3人で会話をする中
モジモジしてるアイルにカイトが声をかける



『~なんやアイル…?言うてみ?』


『べ・・・つに』

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