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第23章 やさしさで溢れるように

アイルの腰に体重をかけて
完全にアイルの体をベッドの上で組み敷いた


一度も力をゆるめないアイルの体は…
男の…、オレの力にはピクリともせず
完全に動かなくなる


オレの手にだけ

ギューっと・・・
跳ね返そうとする

弱々しい女の力…
振動だけがわずかに伝わってくる


『~~っ…
ぃ…やっ…やめ…てぇ…っ』

『・・・』


『~…っくるしいよ…っ、もぅ…やめてぇ』


アイルを押さえつけたまま覆いかぶさり
首スジにキスした

切れたオレの唇から流れる血が…所々
アイルの白い肌を赤く染める

『~~っっ!!やだ…やめてっ、リョウキ…っ』

『…』

キスするオレの唇に…アイルのつけてる
ネックレスが当たる

〃お守り〃として…
アイルに渡したものだった

『…』

不意にネックレスに手をかけた…

引きちぎって…しまおう…と
手に力を入れる


『っっ!?…やっ…だめぇっ!!!』
『…?』

ベッドに押し倒してから
ずっと目を閉じたままだったアイルが
パッと目を開けた

そしてネックレスに手をかけてオレを止める


『やめて…?…お願い…っ』

『…もう…必要ないだろ…?』


〃オレには…もう
お前を守ってやることは出来ないんだから…〃


アイルの両手を再び押さえて
服を少しズリ下ろして
胸元にキスをし続ける

中々…アイルは
オレの待つ言葉を発してくれない

また目を固く閉じて顔を横に反らしている


『ひどいよ…っ…りょうきっ…私は…もぅ』

『…どうしたアイル?言えよ、早く…』



『~~っっ…』

『続きは?…早く言えよ』



『…~~』

『思ってること…言えよ』


アイルは目を閉じて顔をそらしたまま
黙ってしまった


『ハァ~…ハハ。アイル~?
ひでぇことしてるよなぁ~本当に…ハハ』

『……?!』


黙ってしまって…言葉を返さないアイルに

オレは、まるで他人事のような物言いで
陽気な口調で切り返してみた


わざと明るい口調で話す

・・・こんな状況で


オレが逆の立場なら間違いなく…
目の前にいる男は精神異常者だと思うくらい
軽快な口調で…


『ハハ・・・
なんてことしてんだろうなぁ~?ったく』

『……』

アイルがそっと目をあけて

無言のまま…顔はそらしたまま
横目でオレをみる


段々アイルの体力がなくなってきた

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