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第20章 下された罰

一向に止む気配のない白い雨…




アイルの去ったあと
オレは一人
ずっと立ち尽くしていた




どれくらい経ったんだ…?




今・・・たった今
目の前で起こったことは
現実だろうか?




受け入れられない事実を前にオレは…

逃避しようとでもしてるのか…

呆然としていた





涙でいっぱいの顔で…微笑んで

オレの手をはなしたアイルは

本物だったのか?





本当にこれは…夢じゃないのか?





夢なら・・・早く覚めてくれよ…


なぁ…たのむよ




なぁ・・・?・・・アイル


アイル…? … アイル…。









走馬灯・・・

とか言うヤツだろうか…




オレの意識とは裏腹に

アイルの姿が

止めどなく

どんどん・・・どんどん頭を過る



オレに見せてくれた
沢山のアイルの表情(カオ)が
…溢れてくる


初めて逢った時のアイル…

初めてオレに微笑んだ顔…

照れてうつむく顔…

オレを見つめたやさしいまなざし…

初めてキスをした時の顔…

抱きしめた時のぬくもり…肌の匂い

小さなことを幸せだと言うアイルの顔…

オレと…いることを
幸せだと言ってくれたアイルの表情(カオ)…



オレの脳に焼き付いている

無数のアイルが・・・溢れ出す




二度と失くすものかと

こわさせないと誓った

アイルの幸せ・・・アイルの笑顔



二度と…誰にも
傷つけさせないと誓ったアイルを

まさに今…他でもない
このオレが

ボロボロに傷付けて

泣かせて…

全て…ぶち壊してしまったんだ




アイルに何の…一片の非もないことで

オレの愚かな、あやまちのせいで

オレのせいで…

今…アイルから、その全てを
一瞬で奪い去ってしまったんだ







それが…紛れのない事実だった


オレ…何自分だけ逃げようとしてるんだよ?

そんな事…許されるワケ
できるワケ…ねぇだろ

このままじゃ…いけねぇ
このままで良いワケがない…

…アイル

ハッ…っと
オレはようやく我に返ったかのように

くる…っと
アイルの去った方向に向き直す



白い霧のたちこめる道のない道…

アイルの去った方向に…ただ足を進めた






アイルは自宅とは逆の方向へ行った

辺りを捜しながらも

まず目指した場所はひとつだ

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