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第20章 下された罰

ピンポーン

ドンドンドン!

ピンポーン…ドンドン!


ひたすらインターホンを鳴らして
ドアを叩き続ける

…もう夜の10時を
まわろうとしている所だというのに


『生きて…たか…』


ガチャ…

ドアが開いてソウタさんが顔を出して
一瞬だけ
ホッとため息をついてオレを見る

…〃生きてたか〃?…って…

『アイル…来てませんか?…っ』

『~…お前が死んだとでも
言うのかと思ったぞ…。あんな…』



『来てるんですよね!?
…会わせて下さいっ!!』

『…ただの…~…
ケンカじゃないみてぇだな?
……その様子じゃ…』



『…アイルに…会わせて下さいっ…』

まるで話が噛み合わないかのようだが
オレはただただ、必死だった


『俺ぁ…何も聞いてないが…
お前~……〃相応のこと〃なのか?…』

『!?…』


ソウオウノ…コト


ソウタさんが物静かに…ゆっくりと
絶望したようにオレに問いかける


『…答えろ…リョウキ?…
どうにも…ならない程の…~事なのか?』


『…っソウタさんっ…アイルに…
会わせて下さい…~…お願いですっ』



『…どうにもならない…事なのか?…』

『~~~っ…』

ソウタさんが
フゥ…と静かに深くため息をつく



『アイツは…な。アイルは…

ただの一度も…ないんだ』

『?!』



『~俺の前で…涙をみせたことなんか

…ただの一度もない

それが…あんな』


『…』



『…帰れ…リョウキ』

『ソウタさんっ!!…』



『……会わせる事は…出来ない』

『ソウタさんっ…オレっ…』



『あんな状態のアイルに…
会わせる事は出来ない
お前が…原因なら尚更だ!!!』


『~~っ…お願いしますっ…アイルに!

アイルは…!?・・・』



『~…安定剤飲ませて
今は落ち着いて眠ってる…

ぁ~…大丈夫だ
俺が…ついてる

俺が…ずっとついてる
お前に…出来ないなら俺が…』


『~~っ…』


『リョウキ…お前の話も
聞きたいのは山々だ…

だが俺は…アイルを
守らないといけない…

お前が守れないなら
俺が…アイツを守らないといけない

・・・お前からもだ

帰れ……リョウキ』



脱力したように

絶望したように

どこか冷静に淡々と

見たこともないような
無表情のソウタさんの視線が痛かった

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