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第12章 輝く季節の中で

『私も免許とろうかな?

そしたら運転代わったり出来るし…』





『クス・・・やめとけば?』






『…どうして?』





『…チャリ乗れないやつの

運転する車なんざ

オソロシくて乗れねぇって(笑)』







『ひどい~~…っ』











会話や景色を楽しみながら移動する







『リョウキ♪サンドイッチ食べる?』





アイルが

お弁当やお菓子のどっさり詰まった

バックを広げて嬉しそうに笑う




仕事のオレを待つ間

昨日の昼間に




楽しそうにこれを
準備をしていたであろう
アイルを想像できた







『…アイルチャン・・・?

たのちいたのちい遠足でちゅか~?

おやつは300円まででちゅよ?(笑)』






『お腹すいてきちゃった!

・・・~おやつもあるよ♪』





『…聞いちゃいねーな;💧(笑)』





幸運にも道も現地も
混雑のピークになる前の時期だった為
アイルと二人ゆっくり過ごすことができた





宿以外は・・・ほぼノープラン




緑の生い茂る広い場所

野生動物の保護された森林公園や海沿い




広い緑地で
オレはこっそり持ってきたモノを

車のトランクから出して
アイルを手招きした






『リョウキ…〃これ〃…買ったの??』



『そ♪…~乗ってみ?』






この間の自転車を
あの後買ってトランクに忍ばせておいた






『~のれないよ・・・!…転んじゃう』




『ちょっと練習したら乗れるって
後ろ押さえててやるから

こんなだだっ広いトコ
向こうじゃ見つからないぜ?

・・・ホラ♪』







『・・・はなさない?』






『離さない』








『・・・絶対?』





『多分・・・(笑)』








『~~!!!』




アイルが渋々自転車にまたがる







『そうそう・・・うまい。いい感じ』



『はなさないでよ~?

・・・ぜったいだよ~?…』




アイルが覚束無い足どりでペダルを漕ぐ


広い緑地は風が吹いて気持ちが良い


全ての疲れを忘れさせてくれる気がした





アイルにとってもそうだと良い




一瞬でも、ほんの少しでも多く


アイルが・・・笑っていられると良い

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