
Kissからはじめよう SO & AN
第55章 愛を叫べ!5 雅紀
先輩の為に、今日はすべての仕事を擲って帰ってきた、と(恩着せがましく、何度も)言ってただけあって
時刻はまだまだ19時過ぎ
俺も別に明日の朝 早いわけじゃないし
帰らなくちゃいけない理由は無い
「和くんは・・・時間大丈夫?」
「俺?俺は全然・・・だけど、まーくんが帰りたいなら、帰るし・・・」
二人ともちょっと遠慮がちに互いの都合を、いや、気持ちを探り合う
よし、ここは 年上の俺が決めるべきだよね
「じゃぁ・・・帰ろっかな・・・」
「・・・・・・」
下を向いて固まった和くんの肩に手を置き 言葉を続けた
「帰って、俺んちで呑み直そ?」
「・・・うん」
