
ビタミン剤
第38章 愛のある風景
でも諸々の事がどうでも良くなってきた
この器用でぶきっちょなおじさんの隣を
選んだのは俺なんだもん
分かち合えるのは喜びや、楽しみとか
だけじゃないんだもんね
痛みや苦しみとか悩みとかも享受するから
こそうまれてくる絆があるから
とりあえず今はこのぬくもりかな。
抱きつこうと腕を伸ばすとふいに手首を
掴んで自分の身体の中心へと導いてく。
下着姿で眠りこんでる大野さん
しっかり力込めて握ってきたくせに起きようと
する気配はまるでない。
この人いびきまでかきだしてるよ。
本人はまるっきり意識が無いくせに下着越しに導かれた箇所は朝の元気な様子を誇ってて、臨戦体勢、準備万端ってな膨らみと張り具合。
中途半端に放り出したまんまに喧嘩して
あれから
一人でしちゃわなかったのかな?
指先でそっと撫で撫でしてみると
脈打つような動きをするのがかわいくって
少し大胆にむぎゅっと握りしめてみる。
まるで単体で意思をもつ生き物みたいに
むくむくと暴れようとする大野さんの分身。
太くて、硬くて、すっごく熱い。
まだ起きないの?
ココはこんなになってるのに
おじさんは一向に夢から覚めないんだ。
