
ビタミン剤
第32章 ハダカの王様
「ねぇ、いっつもミルク零したら舐めてくれるね。
相葉ちゃんってミルクが好きなの?
それとも俺、どっち?」
「…あ、えっ…あの、あのね
ミルク…クラウンが…」
「は?」
「大ちゃんの…胸元にミルクが零れると…
ちいさな王冠ができるの
それ…ミルククラウンって言うの」
ちいさくて儚いほんの一瞬だけできる真っ白な王冠
アイドルで、俺たちのリーダーでなんでも簡単に
こなせちゃうのに格好もつけずに
いつも飄々としてる
そんな大ちゃんにぴったりな王冠だから
口をもごもごさせながら言いにくそうに
ミルククラウンの説明をしてくれた。
ふーん、真っ白な王冠ねぇ
相葉ちゃんらしくない
叙情詩的な言葉がでてきたことが思わず笑いが
込み上げてきた。
小バカにされてるって思ったのか
うつむいてくちびるを噛み締めてるから
抱き寄せて囁いてやる。
「俺に王冠なんてガラじゃねぇけど、ありがと。
あ、俺、ハダカの王様だったもんな?
相葉ちゃんって
やっぱり俺のことめちゃくちゃ好きだよね?」
ほら、もう真っ赤かじゃん。
頭なら湯気でも出るんじゃね?ってくらい
かわいい反応。
