
ビタミン剤
第4章 こんなの、はじめて
翌朝お昼近くに目覚めた時
体調不良を理由に
マネージャーに連絡して、
俺のスケジュールをオフにしてくれた
翔ちゃんから鍵を2本渡された。
「はい、昨日約束したからね
今日から一緒に暮らそうね。」
「え、ぁ…うん。」
ベッドの上で翔ちゃんのパジャマ
を着せてもらってる自分に
気がついた。
たぶん意識飛ばしちゃった俺を
ぜんぶ面倒見てくれたんだ。
「今日は夕方までのんびりして
歩けるようなら買い物にでも行く?
雅紀のこの部屋で使うもの
いろいろ買い物したいしね。」
「翔ちゃん
あのね、パジャマとか、後始末
いろいろ…ありがと。」
「大事な恋人だからね雅紀は。
でも、意識飛ばす前にトマトは
出せたから、良かったね。
まあ、潰れちゃってたけど。」
「ちょっ、ひどっ
そんなこと言うなっ。」
「あははは。
雅紀の顔トマトよりも赤く
なってるし、めっちゃかわいいよ。」
「布団からでれそう?
なんなら抱っこしてもいいよ。」
「歩けますっ。」
強がってみたけど、
立ち上がってみたら
下半身のダメージは相当みたいで
翔ちゃんが笑いながら抱き上げて
くれる。
「さてと、飯にする?
それとも風呂?」
「お風呂がいいな。」
「はいはい
ちょうどいい湯加減にしてるから。
ゆっくり温まって疲れを癒してねん。」
翔ちゃんちのお風呂は広くて
眺めはサイコーだし、
ジャグジーがあるからかなり好き。
ちょっと鏡が大きすぎるのは
恥ずかしいって思うけど
浴室の扉を開けて感じる違和感。
なんだろ?
なんかヘン?
何時もと違う?
あれ?
俺の?
「ウソだぁぁぁぁぁッッ!!」
