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ビタミン剤

第4章 こんなの、はじめて



気がついたら寝室のベッド。
目を開けたら、翔ちゃんが
覗き込んでくれてて、
手のひらで優しく頬を撫でてくれる。


「ごめん雅紀。
俺すっげえ、嫉妬して意地悪し過ぎた。
ホントごめんな。
なにか冷たいもの飲む?」



お茶に、ミネラルウォーター
ビール、ワイン、日本酒
一通りのものを用意してくれてるのが
いかにも翔ちゃんらしくて
クスッと笑うと、
翔ちゃんも笑ってくれる。


「翔ちゃん、お水がいいな。
お水飲ませて。」


ペットボトルのふたを外して
口もとまで持ってきてくれるけど
俺が飲もうとしないから

どうしたのって訊いてくれる。
俺は初めて、
翔ちゃんにおねだりした。


「翔ちゃんの唇で飲ませて。
翔ちゃん、キスして飲ませてよ。」



今までずっと怖くて言えなかった。

キスして
抱きしめて
ずっとそばに居て

うっかりそんな言葉を言って
翔ちゃんの、顔が曇ったり
拒まれたりするのが
ずっと怖かったんだ。

「雅紀
許してくれるの?
嫉妬して意地悪して、雅紀のこと
これからもっともっと酷いこと
するかもしれないんだよ?
独占欲丸出しのへたれドSで
めっちゃ束縛とかするよ?」


「あのね、翔ちゃん
俺にもっと翔ちゃんのこと教えて。
もっともっと翔ちゃんの
素顔が知りたい。
仲間としてじゃなくて、恋人として
翔ちゃんのぜんぶ教えてほしい。
俺さ、馬鹿だから時間かかるけど
翔ちゃんが好きだもん。
俺もホントの
翔ちゃんを独り占めしたい。」


「雅紀、大好きだよ。」


「翔ちゃん
おしおきの…続きしよ。」




キスから始まった
おしおきの続きは今まで
してきたエッチはなんだったの
っていうくらい。
本気モードの翔ちゃんがいてた。

優しいけど、どSキャラ全開で
イジワルだけど、
男前でかわいくて
翔ちゃんが見せてくれる新たな
一面があんまりにも多くて
当然
一晩でなんて理解できっこなかった。


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