
ビタミン剤
第16章 千夜一夜物語
小さなお店の前で車が停止する。
待っててねって
そう言うと翔ちゃんが小走りに店の扉をあけて中へ入っていった。
丸太造りのロッジ風で喫茶店なのかな?
おしゃれな雰囲気のお店
小さめの箱を手にした翔ちゃんが運転席に座って、だいぶ遅れたけどおめでとうって手渡してくれたのは
絶品のチーズケーキ
翔ちゃんのおすすめの逸品らしくって誕生日用に予約してデコレーションもしてもらったからって言ってくれた。
ヤバい…涙でうるうるしちゃいそう
「ありがと…翔ちゃんすっごくうれしい…」
「相葉くんも、このバースデープレゼント、俺が気にしてたタイピンとネクタイこっそり買ってくれたじゃん、うれしかったよ。」
ああ、もうっ
なんでこんなにもさりげなく優しくて
こんなことまでサプライズされちゃうと
翔ちゃんへの片想いが諦められないじゃん
何時迄もこの時間が続くといいのにな
走り出す車のスピードが
もっとゆっくりならって思ってしまう。
