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ビタミン剤

第13章 ぼくのペット



「翔さんの手が撫でるのは俺だけ。
翔さんの腕が抱きしめるのは俺だけ。
翔さんの膝は俺だけのもの。
この部屋の中の翔さんは…ぜんぶは俺だけのもの」


透きとおった眸の中の黒目がきれいにかがやく濡れた瞳、潤のせつなさを必死に訴えてきてて


「俺が寝てる間に翔さんがカイザーを抱っこしたり、撫でたり可愛がったりしたんだって考えたら、
カッとなって翔さんのネクタイ取り上げたんだ。
そしたらカイザーが噛み付いてきて…」


「どこ噛まれたの?」


両手の指先を確認するように、くちびるで触れていってあげる



「噛まれたのはたいしたことなかったけど、
ただびっくりしてゲージから外に放り出して、そしたら部屋の中あんなにされて。もう、最高に腹が立って掃除もせずに出かけたんだ。」


うなだれて肩を震わせてる縋り付いてくる潤がかわいく、愛しくてたまらない。


おいワンコロ
潤に噛み付いたのはよくないけど、おまえはマジで最高の仕事をしてくれたよ。



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