テキストサイズ

ビタミン剤

第13章 ぼくのペット

Sside


密着してることで直ぐに潤の肉体の変化に気がつくけど、触れてあげない。
恥ずかしがって身を捩って逃げようとするその背中をあやすような手つきで撫でながら頬に手を添えて優しく問いかける。



「潤、なにがムリなの?
ホントにもう飼えなくてなってもいいの?」


追い詰める先は潤の持ち合わせる本質


怖がらなくてもいいから
俺のこの手は潤だけのもの
はやくそれを認識しなくちゃ


「今朝リビングに来てカイザーが…
翔さんのネクタイにじゃれついてるの見てめちゃくちゃ腹が立ったんだ。昨日だって…翔さんが脱ぎ捨てたシャツも、カイザーに渡すのがイヤだった。」


「あんなに欲しがってたのに?
飼うの楽しみだねって言ってたのに?」


思ってもいない言葉を潤に優しく投げかける。


「翔さんがカイザーに微笑んだり、
じゃれて遊んでやって抱っこしたりするのが嫌だって思ってた。
だってっ!
翔さんは、俺の翔さんなのになんで、なんで犬ばっか相手にするのって!」


ひとつひとつの確認事項をとってゆく。

「じゃあ、昨日の昼は潤はやっぱりカイザーに拗ねてたの?」


素直に頷く潤。
抱き寄せてもう一度唇をそっと触れてあげた。もっと潤の本音を吐き出して、潤の本性を吐露させてやりたい。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ