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ビタミン剤

第7章 人魚のナミダ



「明日一日様子見て、
変わらないようなら検査できるように
病院のほうにも手配しとくよ。
たぶん疲労や、ストレスからきてる
ものだと思うから。」


そう言いながら先生が力強く微笑んでくれる。

「ありがとうな、すっげえ心強いよ。」


「なんかあったら直ぐ連絡してくれ。
看護師にも話し通しておくしさ。」


「もう、センセーには
嵐のメンバーの専属ドクターに
なってもらいたいよねぇ。」


「いや、けっこうミーハーなところ
あったりするから。」


「いつでもどうぞ。
あ、翔には冬のコンサートチケット
頼んでます。」


「チケットだなんて。
特別席に招待してあげてよね
なんなら楽屋にも来てください。
ね、翔ちゃん。」


タクシーを呼んでから
翔さんと2人で玄関まで見送った。
リーダーと相葉ちゃんがソファーで
居眠りしてて
ニノが手早く洗い物をしてくれてる。


「潤、お薬を飲んだ?」


翔さんの言葉に笑顔でうなづく。
明日の朝に食べなよって
相葉ちゃんが買ってきてくれた
フルーツの盛り合わせが
やけに美味しそうに見えてくる。


「潤、フルーツ食べたい?」


小さくうなづいたら翔さんが
ぶきっちょな手つきで、
グレープフルーツと格闘して
包丁も使わずにまる裸にしていった。


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