
ビタミン剤
第7章 人魚のナミダ
ニノの言葉に泣きそうになりながら
何度もうなづいた。
まだジュニア時代、俺たちは
バレーボールがたまたま上手かった。
きっかけはそんなことだったけど
嵐にメンバーに選ばれて
それぞれ考え方は違ってるけど
いつの間にか、
俺達はかけがえのない大切な存在に
なってた。
嵐の仲間は
優しくて、あたたかで、つよくて、
みんながみんな優しい。
だから、みんなにちゃんと
ありがとうって言葉を伝えたい。
「ジェイ。
今めっちゃかわいい顔してるよ。」
「…………。」
「ジェイはさ、
ジュニア時代からイケメンだけど
スレてなかったから。
マスコット的な可愛らしい存在でさ
敵わないなぁってずっと思ってた。」
「…………。」
「どんどんでかくなって男前になって
逞しくなって頼れる存在になってさ、
コンサートのこととかもぜんぶジェイに
任せちゃってさ。
翔ちゃんも、ジェイも二人とも
ぐいぐい先に行き過ぎるんだもん。」
「……………。」
ニノからの告白は以外なものだった。
いつも飄々として我が道を進むって
スタイルのニノが、そんな風に考え
てるなんて思ってもみなかった。
