
ビタミン剤
第7章 人魚のナミダ
翔さんの指先が力強くなってくる。
本気のキスが始まる合図。
「ん…ッんっ…、んっん。」
あまい電流が全身を襲ってきて身体の
震えがとまらない。身体中の細胞膜が
揺さぶられて全身が崩れてとろとろに
溶け出してくようなしびれる感覚。
「ン、んんっ…っんン!!」
「潤、大丈夫?
もしかてキスだけでイッたの?」
下着の中の粘つく違和感。
久しぶりの解放感に身体を動かすことが
できなくて、なかなか整わない息遣いで
翔さんの手をきつく握りしめてた。
「潤のかわいい顔見たら
つい歯止めをかけらんなくなって。
あ、ごめん。かわいいはダメだったね。
松潤は病気でも美人さんだよ。」
そういって微笑む翔さんは
半年前となにもかわらない笑顔。
俺だけが、歪んだ気持ちに
なってて気まずさを感じてただけ。
やっぱりガキだったんだ。
温かなお湯とタオルで身体を
拭ってくれて下着も、パジャマも
新しいものを着せてくれた。
去年の翔さんからの
バースデープレゼントの
お揃いで色違いのデザインのやつ。
なんか恥ずかしくて、
この部屋でも
数回しか来たことがなかった。
