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キラキラ

第37章 寵愛一身

次の日。
松本は休みだった。

相葉に聞いたら、先生には、体調不良で欠席します、と、連絡があったとのこと。


やっぱり……白かったもん……顔色。


昨日の松本の様子を思い出す。
明らかにいつもとは違ってた。


どうしよう……会いたい


昨日会ったくせに、もっと会いたいと思ってしまう。
恋って……すげぇな、と思う。
今は、なんとなく彼の言動が不安だから、なおさらだった。


俺は、弁当をつつきながら、はぁ……と、ため息をついた。
目の前では、いつもの面子が、賑やかに昼飯を食べてる。
クラスで浮いてて、居心地悪いから来てるやつもいれば、本当にこの場所が好きで来ているやつらもいるという。


「にーのみや。元気ないね」


……この人は後者だろうな。


朗らかな笑顔の相葉が、俺の隣にするりと座った。
カツアゲしてた奴とは思えないほど、ニコニコしてる。
初対面は大嫌いだったけど、この人は一度懐にいれてもらったら、とてもとても面倒をみてくれる人なんだろうな、と、今は思う。

現に、俺が一人でベンチにいると、決まって話しかけてきてくれるんだ。


「潤、いないと寂しいな」

「……そうですね」

「あいつさぁ……メッセージ送ってもフルシカトなんだけど」

「俺もですよ。それだけ具合が悪いってことじゃないんですか」


なんとなく、従兄弟のことは言わない方がいいかも、と思った。


「ええっ……!やっぱそうかなー。大丈夫かな、あいつ」

「……心配ですよね」





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