
キラキラ
第36章 バースト10
部屋に帰るのは、ある程度時間をあけた方がよいだろうな…
せっかく脱出したのに、戻ってもなお、真っ最中なら意味がない。
とはいえ、この極寒のなか、震えながら外で待つのは辛い。
「…どうせなら風呂でも入っとくか?冷えただろ」
俺は、寒さでガタガタ震えだした潤の手を引っ張って起こしながら、大浴場の扉を開けた。
もわもわと温かい湯気が、俺たちの体を包んだ。
電気はついてないが、庭園のライトのおかげで、浴場内はうすぼんやり視界がきく。
俺は潤の手の冷たさが気になり、温めてやりたい、とそれだけの気持ちで自分の浴衣を脱ぎ捨てた。
「入ろうぜ。タオルとかは、どっかに予備があるだろうし」
言って、下着も脱ぎ捨て、電気のついてない暗い脱衣場の扉をあけて放り投げた。
だが、潤は固まったように動かない。
「…どうした?…おー…あったけー」
俺は、そっと湯船に浸かりながら潤を見上げた。
ところが、潤はもじもじして、一向に浴衣を脱ごうとしなくて。
…赤い顔でうつむいてる。
「なにしてんだよ。脱がしてほしいのか?」
冗談でからかったら、潤がちらりと俺をみた。
その顔は、なにかを訴えてて…。
ぴんときた。
俺はおもむろに立ち上がり、潤を引き寄せ帯を素早く取り払った。
一瞬抵抗した潤の手を拘束し、浴衣の隙間から、そっと下着に触れる。
そこは、熱く硬度をもってて。
「…智さんたちが煽るから…!」
潤は泣きそうな声で、腰をひきかけたが、俺は、がっちり体をつかまえた。
