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キラキラ

第34章 バースト9


かずが、わかってる?とでも言うような顔で、俺をじっと見つめる。
その疑わしげな視線に、俺の考えが見当違いであったことを感じ。


俺は、ちょっと焦って頭をがりがりかいた。


「……俺が?」

「潤くんは、今さら性別のことでウジウジするような子じゃないでしょ」

「ああ……まぁな」

「翔さんと一緒だよ……翔さん、潤くんを他の人に見せたくないでしょ。触らせたくないでしょ?」

「当然」

「……きっと、潤くんも一緒だよ。名も知らぬ大勢の見えない女子学生が嫌だったんじゃないかな……って、俺はそうとったよ」

「…………」


かずの淡々とした言葉に、俺は絶句する。


「……ヤキモチ?」

「……そう思うよ」


へぇ……、と、俺はにやけそうな口を覆う。


不謹慎だが……嬉しい。
あいつの俺への独占欲が高じて……ってとこだもんな。


「……笑うとこじゃないけど」


かずのあきれた顔に、俺は、すまん、と、慌てて真面目な顔をつくった。


「でも……それだけだったから。そのあとは普通だったし……」


かずは、はぁ~とため息をついて、手の甲で目を擦った。

「……これが、直接の原因ではないけど、なにかしらのキッカケになってる可能性はあるとおもうんだよね」


いったい何があったんだろうな…ぁ…呟きながら、かずの声が小さくなっていってることに気づいた。



「かず?」

「…………ん」


身を乗り出して、表情を確認したら、かずの目がとろんとしてきたのがわかった。

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