
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
「ジュン……」
通された別室で、ジュンは眠っていた。
頭と、むき出しの肩から腕にかけて、厚く包帯が巻かれ、その痛々しさは見てられないほどであったが、
「骨はね……折れてなかった。丈夫だね、この子」
小柄でニコニコした医師が告げた言葉に、体の力が抜けた。
ショウが、座り込みそうになった俺を慌てて支えた。
「腕の傷が深かったからちょっと縫い合わせたくらいかな。まあ、頭も打ってるみたいだからしばらく気をつけて様子見てあげないといけないけど」
大丈夫だと思うよ。
その言葉に、
「良かった……」
また、涙が溢れた。
ありがとうございました、とショウと共に頭を下げた。
ごめんな、ジュン……。
できる限りのことするから。
そう心で誓っていると、話が終わったタイミングで、部屋の端に立っていた青年が、ゆっくりこちらに歩み寄ってきた。
涼しい目元が印象的なその人は、俺とショウの前で頭を下げた。
「あの……このたびは申し訳ありませんでした。王室の馬車と接触したとうかがいました」
「いえっ……あれは、俺……じゃない、私がうっかり飛び出してしまって、それを助けようと彼も飛び出してきたので、そちらに非はないんです……」
慌てて首を振って否定した。
あんなの、100%俺が悪いだろ!!
申し訳なさそうな顔をしてる青年に訴えるが、
「……それでも、こちらの前方不注意もあるでしょう。お詫びに、お怪我されてるかたが動けるようになるまで、どうぞこの城に、滞在なさってください」
…………。
ショウを振り仰ぐ。
ショウは、困ったような目で頷いて、
「あなたがいいのなら、俺は、かまいません」
と、言った。
俺は、考えた。
……俺がいいのなら。
……身分がばれる。
……国にばれる。
……ミヤ探しができなくなる。
唇を噛んで……頷いた。
「……よろしくお願いいたします」
でも、ジュンの方が優先だと思った。
……ここで、しばらくお世話になることに決めた。
