
Perfect Romance
第5章 一歩前へ
「…俺、女じゃないよ?」
「分かってる」
「相葉さん、ホモなの?」
「それは少し違うかな」
普通、そう思うよね
でも違うんだよ
「好きになるのに、性別は関係ないよ」
「え…」
「初めて会った時から、もう《にの》って人に惹かれてたの。俺、散々アピールしてたでしょ」
「冗談だと思ってたから…」
いやいやいやいや!
好きなんだってあの時ちゃんと言ったよね?
あれ、冗談にしちゃってたの?
「本気も本気。付き合って欲しい…俺の恋人として」
何回言えば、にのに伝わるんだろう
少し、前の車が進んだから
にのから視線を外してハンドルを握り直す
すぐにまた止まったから
もう一度にのにそれを向けると
これ以上ないくらい真っ赤になったにのの姿が飛び込んできた
「相葉さん…」
にのは、唇をキュッと結んでから
「多分、俺も…好き…なのかも」
消えそうな位の呟き
だけど
その呟きはしっかりと俺の耳に届いている
「にの…本当?」
夢じゃないよね?
「うん。…多分、だけど」
左手で、にのの右手を軽く握ってみる
「嫌じゃ…ない?」
「うん」
その手を裏返して、指を絡めてみた
「これは…?」
「嫌じゃ…ない」
キュッと絡めた指に力が入る
