テキストサイズ

Perfect Romance

第5章 一歩前へ



帰りの車中、にのは黙り込んでいた

疲れたのかな?とあえて声は掛けずに運転に集中していたけど
やっぱり気にはなるわけで

ちょこちょこ助手席を盗み見ると

にのは、寝てるわけじゃなくて…
何か考えてるかのようにずっと窓の外を眺めていた

どうしたんだろ

やっぱり俺と来るの嫌だった?

でも、楽しんでたよね?

…お化け屋敷は、可哀想な事しちゃったけど

頭の中で、色んな気持ちがぐるぐる駆け巡る
だから、告白した事なんてすっかり忘れてた


「あの、さ」
渋滞にはまって車が動かなくなった時
にのは意を決したように
俺の顔を見た

声のした方にチラリ、と視線を向け
目が合った途端、にのがふっとそれを逸らす

「…どうしたの?」
「あの…えっと…」

言いたいけど言えない、…そんな感じ

前方を気に掛けながらも、言葉を待つと

少し間を置いて
「…お化け屋敷で相葉さんが言った事…」

「あ…!」
ようやく思い出した

そうだ、俺ってば抑え効かなくて告白しちゃったんだ

「や…あの、それ…」
今度は俺がしどろもどろ

…逃げ道、作ってない

振られたら終わりだ。にのに会えなくなる

「あれ…本気?」
ここまで来たら、ごまかしようがない

一つ、大きく深呼吸

「本気。嘘でも冗談でもない」



……覚悟、決めた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ