
Perfect Romance
第5章 一歩前へ
「怖かったら、掴まってていいよ?」
入口で尚も躊躇するにのに笑い掛ける
「…怖くないもん」
ちょっと!「ないもん」なんて言葉
可愛い!!可愛すぎだって!
本人は自分の言葉に気付いてないみたいだけど
俺の心臓、ヤバイ位にドキドキしてる
「じゃ、入りますか」
「…うん」
にのが無意識にギュッと俺の袖を掴んだ
あーもう!
何でこれで「恋人」じゃないんだろう
暗闇を進んでいくうちに
にのがどんどんくっついてくる
あちこちに仕掛けられた罠に毎回悲鳴をあげて
その度にギューッとしがみつくもんだから
俺は、お化けよりにのの触れてるとこが気になって仕方なかった
途中、少し明るい場所になった時に
にのの顔を見たら
…うるうるの涙目
そして、何かに堪えるように唇を噛み締めてる
その姿を見たら
もう抑えが効かなくて
俺はにのをきつく抱き締めてた
「ちょ…っ」
抱き締められたにのが、戸惑った声を出す
「好き…マジで好き」
こんなとこで告白なんてのは
いくらなんでも考えてなかったのに
…言わずにはいられなかった
「俺だけのにのに…なって」
ーー恋人に、なって
更にきつく抱き締めた
多分、吊り橋効果も利用したかったんだ
