
Perfect Romance
第5章 一歩前へ
好き好きアピールは、毎回してるんだから
今日はいっそ
きちっと改めて告白してみようかな
いくらなんでもにのだって
1回は告白してるから
寝耳に水って事はないだろうし
…だけど、ダメでも
にのが俺から離れないような道筋は用意しないと
俺のダメージは洒落にならない
並びながら、俺はどう告白しようか
ずっと考えていた
…考えていたかったけど
しばらく並んでて、何となく嫌ーな予感がしたら
案の定先頭に座る羽目になって
にのは、これ以上ないくらい喜んでたけど
俺はもう顔が引き吊ったまま
頭の中が完全にフリーズしてしまった
隣で大はしゃぎするにのに
余裕ぶって笑い掛けたいけど
……無理
散々振り回されたあげくに
スピードがガクンと落ちて
にこにこと「おかえりなさーい!」と笑って迎える係員が
まるで悪魔に見えた
固定具が上がっても、すぐには動けなくて
「ちょっと相葉さん!大丈夫?」
にのに手を引っ張って貰う羽目になって
「だ…大丈…夫」
何とかベンチまで移動して、力が抜けた
にのが、ちょっと待ってて。と言ってどこかに走り出す
それを目で追っていたら
先にある自販機で何か買っていた
戻る時は、両手に紙カップを持って
溢さないように歩いている
「はい、相葉さん」
「ありがと…」
俺は素直に受けとって、氷の入ったシュワシュワ音を立てるそれを
一気に流し込んだ
