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Perfect Romance

第5章 一歩前へ


係の人に促されて、狭い入口から乗り込む

思ったより小さな空間は
膝が当たる程ににのとの距離が近かった

ここから約15分はのんびり座れる
しかもこの狭い中に二人きり

俺にとっての至福の時間が来た!

「…ごめん」
ふいに、にのが謝罪の言葉を口にした

「え。何が…?」
謝られる事なんかないのに

「疲れたでしょ」
ー…俺が引っ張り回してるから

確かにね、疲れてない、と言えば嘘になる

でも、それより何より

「俺ね、嬉しいの。にのがこんなに楽しんでくれて」
「相葉さん…」

「ここまで元気なのは意外だったけど」

まるで子どもみたいに
目を輝かせて俺の腕を引っ張るにのなんて
全く想像してなかったよ

「あー…」

にのは頭をポリポリ掻きながら俯いたけど
…顔、真っ赤。

「昔から、遊園地大好きでさ。…大人になったら来る事もなかったし。久々来たらやっぱ嬉しくて…」
「にのの、意外な一面見た気がする」

つい、顔が緩んでしまう

俺は俯いたにのの、膝に置かれた手に
そっと自分のそれを重ねた

一瞬ピクッと肩が揺れたけど
重ねられるまま動かないにの

…キス、したいな

なんて欲望がムクムク湧いてきたけど

さすがにねー
こればかりは慎重に進めないとダメだよね

でもさ
さっきより顔が…耳まで真っ赤なのは何で?

手を振りほどかないのは
……どうして?

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