
Perfect Romance
第5章 一歩前へ
「ねえ、その服でかくない?」
可愛すぎるから、気になって仕方ない
「これ?…サイズ間違えたんだけど、交換めんどくさかったから。…そんなにおかしい?」
にのが服の胸あたりを摘まむ
「おかしくないけど、ヤバイ」
「え?」
「色っぽく見える」
ベシッと頭を叩かれた
…かなり本気の力で
「…痛い」
「変態。…そういう事言うなら帰るからね」
睨んでるのに、それすら可愛い
でも、怒らせると本当にこのまま帰ってしまうのは目に見えている
「すいません…」
だから、ペコリと頭を下げて謝っておいた
「車、出すね」
俺は努めて明るい声色で、気分を切り替えた
「うん」
にのの表情も、直っている
今日は楽しく過ごしたい
にのに、楽しんで欲しい
「あ、ごめん。あそこのコンビニ寄ってくれる?」
走り出して間もなく
にのは前方の看板を指差した
「いいよー」
言われるままに車をコンビニの駐車場にいれる
「ごめんね。ちょっと待ってて」
「行ってらっしゃい」
何か忘れたのかな?なんて思いながら、店内をうろつくにのを車内から眺めていた
レジでお金を払うと小さめな袋を持って、小走りに戻ってくる
「お待たせ」
再び座り込むと、すぐに袋の中に手を入れて
「はいこれ」
「え?」
渡されたのは、俺の好きな缶コーヒー
「1時間は走るでしょ?」
そう言って、にっこり笑った
