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Perfect Romance

第5章 一歩前へ



約束の時間まで後30分

シートにもたれながら
カーステから流れてくるFMに
ぼんやりと耳を傾ける

ん…?

ふとフロントガラスの向こうに見えた姿

あれってもしかして
…もしかしなくても

にのだ!

遥か前方からこっちに向かってのんびり歩いてきている

かなりゆとりのあるパーカーに細身のジーパン姿は

女の子かと見間違うくらいにのの体つきを華奢に見せていた

近付くにつれ分かってきたのは
大きすぎるパーカーの首元からちらつく鎖骨と
指の半ばまで隠したいわゆる「萌え袖」


ヤバイ。何なのあれ
マジで可愛すぎる

俺の予想の斜め上をいくにののスタイル

反則だよ反則っ!!


ゆっくり近付いてきたにのは、あらかじめ教えていた
この車種とナンバーを確認してから
俺の座る、運転席に視線をあげた

「…っ!」
俺を見て、小首を傾げてニコッとするにのに

…初っぱなからノックアウト

この先大丈夫か?俺…


乗っていい?とジェスチャーするにのに
ブンブン首を振って頷く

慌てて内側から、助手席のドアに手を掛け
外に押し出した

それを受け継いだにのはドアを開けると
助手席にするりと乗り込んで

「俺の方が早いかと思った」
ベルトをしながら、にっこり笑った

「楽しみ過ぎて待ちきれなかったんだもん」
「子供かよ!」

ぷはっと吹き出したにのに
つられて俺も笑ってしまった

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