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Perfect Romance

第21章 さよならは言わない


「な…っ」
いきなりの事で、抵抗する間もなく胸に押し付けられて

「泣いてたでしょ」
ぽんぽんと頭を叩かれたら、何も言葉が出なくなった

“なんだよ“ って
“泣くわけないだろ“ って、強気に出たかったけど

「だからかずの傍にいたかったんだよ」
ー…絶対1人になったら考えちゃうんだから


そんな風に優しく言われたら

どれだけ “泣いてなんかない“ ってごまかしたくても、もうごまかせないよ


相葉さんが付いていくって言ってたのは
俺を一人にしない為

危ないとか、無理矢理な言い訳は
俺の強がる気持ちを大事にしてくれた為


そんな相葉さんの優しさに、今頃気付くなんて

ホント俺、相葉さんの何を見てたんだろうね



「相葉さん……来てくれて、ありがと」
「起きた時は、超焦ったけどね」

ふふ、と苦笑いして

「電話なんかより、ここに来て正解」

胸に押し付けた顔をそっと両手で持ち上げると



「翔ちゃんの前でも泣いただろうけど

…今なら俺しかいないから、思い切り泣いていいよ

泣いちゃいなよ、…楽になるから」

相葉さんがニコッと笑った

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