
Perfect Romance
第21章 さよならは言わない
アパートに着いて、風呂にも入って
やっと一息ついた、とテレビの前で伸びをした時
当たり前の静かな室内が、それまで以上に静かに感じた
皆でいる時は、もう大丈夫だった
離れるとしてもまた会えるんだし、って気持ちも変わっていた
それなのに、1人アパートに戻って面白くもないテレビの音以外何も聞こえない空間は
忘れようとしていた寂しさを一気に引き戻してくれてしまうようで
頭の中には “櫻井さん達がいなくなっちゃう“ 事だけがリピートされる
…鼻の奥がツンとする
もう、平気だと思ったのに
吹っ切れたと思ったのに
じわりと涙まで滲んできて、思わず膝を抱えて小さく蹲った
ー…吹っ切れてなんかないじゃん
情けないなー
まだ泣けちゃうのかよ
誰に見られるわけじゃないけど、何となく抱えた膝に顔を埋める
「…っく、…ふぇ…っ」
嗚咽まで出てきて、もういっそ思い切り泣いてしまおうかと思った時
突然玄関のチャイムが鳴った
