
Perfect Romance
第21章 さよならは言わない
タクシーが到着する予定の少し前に、外に出ようと相葉さんに声を掛けた
だけど何の返事もなくて
リビングにいる相葉さんを振り返ってみたら
「何だかなぁ…」
気持ち良さそうに舟漕いでるし
どうしようかな
このままほっといて帰ろうかな
そう思ったけど
後々が凄く面倒な気もするし…
「相葉さん!…外に出るよ」
仕方なく肩を揺する
「んー…」
だけど全然起きそうになくて
何度か揺すったり、叩いたりしたけど瞳が開く事はなくて
「…起きない相葉さんが悪い」
俺はさっさと見切りを付けて、寝こけてる相葉さんをそのままに
タクシーが到着する玄関に向かうことにした
だってもう、タクシーも来ちゃうし
…起こすの面倒くさいし
外に出ると、既にタクシーは到着してて
「お待たせしてすいません、……までお願いします」
軽く謝って車を出して貰う
走り出して、一息ついた時
…起きた時の相葉さんを想像してしまってちょっと笑えてきた
思わず吹き出しそうになって
慌てて顔を引き締め、窓の外を見てそれをごまかした
