
Perfect Romance
第21章 さよならは言わない
恐らく櫻井さんも、“また泣かれても困る“ と思ってるんだろう
だけど嫌な空気じゃない
何て言うか…穏やかな空気で、居心地は悪くなかった
「ただいまーっ」
チャイムは鳴らさす、直に玄関の鍵を開けて大野さんが帰ってきた
「こんばんは!かずいるの?」
すぐに後ろから聞こえたのは、もちろん相葉さんの声
「…雅紀は本当、お前しか見えてねぇな」
櫻井さんがクスッと笑うから、思わず赤くなってしまう
「あ、智の方は雅紀にはまだ言ってないと思うから、黙っとけよ?」
「はい」
俺の返事に頷いた櫻井さんが
立ち上がって二つのカップにコーヒーを入れ始める
お酒は、話が終わってからにしようって大野さんと決めたらしい
「よお、にの!」
ドアを開けた大野さんが片手を上げた
「お疲れさまです」
「かず~っ」
「はいはい、お疲れさま」
大野さんを押し退けて、俺の肩を抱く相葉さんに思わず溜め息
嬉しくない訳じゃないけど
…もう少し落ち着いて欲しい
