
Perfect Romance
第21章 さよならは言わない
何度も “嬉しい“ と言って頭をわしゃわしゃする櫻井さん
俺の髪の毛が見るも無惨にボサボサになったのを見て、また笑い出す
「あーもう、ぐしゃぐしゃ…」
鏡なんかなくても分かるくらい酷い状態に、思わずぼやいた
「櫻井さ…「二宮、ありがとう」」
「え?」
「お前と組めて良かったよ
…お前と仕事するようになってからは、本当楽しかった」
本当に?
櫻井さん、そんな風に思ってくれてたの?
「俺さ、前にも言ったけど…藤島ではプライベートまで付き合いが出来た奴はいなかったからさ
…なんか、仕事もプライベートも、本当楽しかった」
何でだよ…
何でそんな事言うの?
せっかく涙止まったのに、また出そうになっちゃうじゃん
「お前がパートナーで、良かったよ」
櫻井さんの目にうっすら膜が張っている
これがまさしく “鬼の目にも…“ じゃなくて!
そんなんじゃなくて
もう、何が何だか分からなくなってきて
「うぇぇぇぇ…っ」
俺の涙腺、再び崩壊
