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Perfect Romance

第20章 秘密?の社員旅行



まだ、かずの瞳は涙で潤んでいる

俺はその瞳に、そっと唇を触れさせて
目尻から、流れた涙の痕を舐め取っていった

唇を離すと
少し驚いたようなかずがそこにいて


「バカなのは、俺だから…」

そう言ってから
今度はかずの唇に、自分のそれを重ねた

軽く触れ合わせるだけの、キス


「…知ってるよ、そんな事とっくに」

かずが俺を見ながらクスクス笑った
泣き笑いのその顔が、今までのどんな顔よりも愛おしく感じる


だって
俺の事だけを考えて
泣いて、…笑ってくれてる

「うん…本当俺、バカ」
「だから知ってるって」


いつものかずが戻ってきた

「かぁずぅぅぅっ!」
「ぐぇっ」

力一杯抱き締めたら、かずが変な声を出すから
…それすらも嬉しくて、さらにきつく抱き締める

「苦し…っバカ…!!」
「あ、ごめんっ」

本気で苦悶の顔になったかずを慌てて離して


今度は優しく両手で頬を包み込んだ
その上に、かずの手がふわりと重なった

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