
Perfect Romance
第16章 告白
「遅ーい!」
玄関のチャイムを鳴らした直後、大ちゃんが剥れたような顔でドアを開けた
「…え?」
いや、そんなに時間は経ってないはずだけど
隣にいるかずを思わず見ると、同じように
「え?」と口を開けている
「うっそー!ほら、早く入れよっ」
かと思ったら、ニカッと笑う大ちゃん
…やけにテンション高くない?
早く早くと促されて、引っ掻けたサンダルを脱いだ
かずもつられて、少し慌てて靴を脱ぐ
「あ!ちょっと大ちゃん!」
大ちゃんはかずの手を引っ張って、先に歩き出した
俺のかずに勝手に触るなーっ!
…って、かずも何笑ってんの!?
俺は急いで先を行く二人を追った
…たかが廊下だけどね
かずの顔見たら、そのちょっとの距離も離れたくないんだってば!
リビングのドアの向こうには、さっき買った惣菜が並べられていた
「お、いらっしゃい」
酒の入ったビニールを持った翔ちゃんが、にっこり笑う
先に入った大ちゃんが、ソファーに座って
隣にかずを座らせようとする
「ダ…」
「智」
俺が「ダメ!」って言うより先に、翔ちゃんの低い声が響いた
