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Perfect Romance

第15章 祭りのあと



「あ…俺…?」
1時間もしないで、かずが目を覚ました

子どもみたいに目を擦っている

「もう、いいの?」
まだボーッとしているかずに笑い掛けたら

「うん、ありがとう…」
ふにゃんと柔らかく、笑い返してくれた


「ごめん、重かったでしょ」
「全然平気、気にしないでよ」

そんな事よりも、かずの寝顔を肴に酒が飲めたっつー方が貴重だったし

俺の傍で安心して眠れるんだって言う幸せを実感できたんだもん



「飲む?」
「あ、うん」
そう言ってテーブルの上の缶を手に取ったから

「待って、冷たいの持ってくるから」
その手を止めて、缶を取り上げた

「いいよ、自分で行「待ってて」」
かずの言葉を遮って、立ち上がる

そうすれば、かずもおとなしく待ってくれるから


温くなったビールを冷蔵庫にしまい、代わりに冷えたそれを取り出して再びかずの隣に座る


「ありがと」
「いーえ」

お互いクスッと小さく笑って、ほぼ同時に缶を傾けた

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