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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

「ありがとうございます!!」


 二人は声を揃えて言った。


「じゃあ、精霊呼び出しが一回で、5ペルーね」


「金いるんや……」


 言った球也が金を出した。


 バンタリンの店を出て、これからどう進もうかと、路頭に迷う。


 時間的にはお昼であろう。


 精霊の石を手に入れ、これから何が待ち受けているのか分からない広大な冒険劇を前に、二人共、ただ普通にお腹が空いてきた。


「なんか食べたいわ〜。ここはなんか食べる場所あるんやろか?」


 純化はお腹をさすると、微かに「ク〜」と音がする。


「食べる物は普通じゃないですか? ここは人間と同じ物を、食べてるみたいですよ」


「よっしゃ、なら、どっかでなんか食ってから行こか。戦はできぬってもんよ」


 純化は街並みを一通り見据えると、ある方向を指差して言った。


「あのバンタリンさんの店では、何か食べさせてくれへんのかな?」


 純化のストレートな思い付きに、苦い顔を見せる球也。


「えぇ〜、僕未成年っすよぉ〜。入ったらお酒が出るにきまってますやん」


「聞いてみなわからへんやん。一応、聞いてみようよ」


 純化は無理矢理に球也の腕を取り、ほぼ強引にバンタリンの店まで引き連れた。



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