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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

 バンタリンの酒飲み屋。


「……で、お二人さんは、またここに来たのね」


 バンタリンはキセルを片手に、分厚いグラスに入れられたピンク色の液体を口に入れる。


「ここって何か食べさせてくれないの?」


 純化はそう言うと、カウンターに肘を付き、体を預ける。


「一応は飲食出来る店だから、食べる物はあるわよ。でも、あなた達の口に合うものかどうかは保証できないわよ」


「お腹空いてるから何でも食べるよ〜。ね、きゅう坊」


「きゅ……きゅう坊っ!?」


 バンタリンは二人のやり取りを見て、フッと笑う。


「ちょっと待ってて、何か作ってあげる。そこのカウンターに座ってて」


 そう言うと、バンタリンは店の奥に入って行った。


 二人はカウンターの前の椅子に座り、何が出てくるのか、期待に胸を膨らます。


「何が出るんやろうなぁ〜」と、ワクワクする純化。


「まあ、普通に食べるもんならいいんすけど……」


 徐々に罰ゲームの様な恐怖が増してくる球也。


 周りを見ると、人間の世界の居酒屋の様に、酔っ払いのような男達が昼から酒を飲んでいる。



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