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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

 すると、バンタリンは球也の頭を指差して言った。


「え? その子は違うの?」


「え?」


 いつの間にやら、球也の頭の上に緑色の精霊がいる。


<こらっ!! うちの存在を忘れたらいかんで>


「えぇっ!?」


 それは、タクノアンが河川敷で呼び出した草木の精霊のソーヤだった。


「あら、この精霊は喋るのね。珍しいわ」とバンタリンが物珍しそうに、ソーヤを見る。


<うちは他の精霊とは違って知性派なんやで!! バカにしたらあきまへんでバンタリンさん>


「私の名前を知ってるの?」


<当たり前やん、精霊を自由に呼び出して扱えるバンタリンって、うちらの業界では超有名なんやで>


「えっ!? そうなんすか!?」と球也は身を乗り出す。


「まあ、私は酒飲み屋メメ主人だけの肩書きだけじゃなく、精霊インストラクターって職業もかねてるんだけどね」


「メメってなんすか?」


「あなた方が言う女って意味よ。男はポポって言うの」


「ここおったら賢くなるわぁ〜」と純化は言うが、人間の世界ではうんちくにもなりゃしない。



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