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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

「精霊は、あなた達の旅を手助けしてくれる。何かあった場合、助けてくれるわよ」


 バンタリンはグラスに緑色の液体を注ぎ、クッと一口に飲み干す。


「つまり飼うんやな……餌とか何食うん?」


「何も食べないわよ。この世には沢山の精霊達がいるから、出会ったら声をかけてみればいいわ。仲間になってくれる。きっと……」


 純化は興味津々だった。


「じゃあ、この子はうちが引き取るわ! 仲間になろう」


 純化は手を出した。


「まった、今、出たばかりだから人間が素手で触ると火傷するわよ。でも、この状態なら大丈夫」


 バンタリンはそう言って、火の精霊の頭に手をかざす。


 すると、ホワッと強い光を放ち、精霊はひとつのピンポン玉ほどの赤い石と化した。


「えっ? えっ? なんなんこれ!?」


 バンタリンはその石を摘まむと、純化に差し出した。


 純化は両手を受け皿のようにして、石を受け取った。


「こんなんになるんやね。これやったら、袋にも入るわ」


 純化は袋の中に、精霊の石をしまう。


「ねぇ、僕にもないかなぁ?」と球也は目を輝かせて言った。



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