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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

「酒飲み屋!?」


 二人が声を揃えて言う。


「私がここのメメ主人、バンタリン。そっか……ついに来る時が来たのね……」


 バンタリンは、そう言ってキセルの火を手の平に乗せる。


 そして、静かに目を閉じると、ボソボソっとなにやら呟いた。


「レハナキテデカンナ、レハナキテデカンナ」


 すると、その火が大きく燃え始める。


「デヤシコスウモャシッヨ」


 やがて、それは人型に変化し、「チッ……チチッ」と声を洩らす。


 二人は突然の出来事に、目が点になった。


「さぁ、目覚めなさい」


 バンタリンが声をかけると、手のひらには赤い小人がぐぐっと背伸びをする。


「さあ、火の精霊がでたわよ。どちらが所有するのかしら?」


「火の精霊!?」


 球也はその精霊に釘付けになる。


 見た目は男の子のようで、全身が赤く、髪を大きく逆立てている。まるで、
燃え盛る炎のようだ。


「これって、なんなん? 所有って、よくわかんない」と純化は、その精霊を指差して言った。



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