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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

「くそ、そうは言うけど……立ち向かいたいが、あんなでかけりゃ、俺達にはどうしようもないぞ。自衛隊も来ないし……」


 コウヤは有り余る力を使いたかったが、ビルよりもでかい相手には手も足も出なかった。


「なんだよ、言ってることが違うじゃねぇか。おそらく、自衛隊達は、力を吸いとられているか、地上にいる闇の動物に手をとられているんだろう。こんな化け物が出る想定なんてしていないから、政治家も動けねぇ」


 勇樹も出来ることなら立ち向かいたいと思っていた。だが、今やれば自分まで紙兎になってしまう。


「ねぇ、ソーヤ!! あんた、なにか出来ないの?」


 莉子がソーヤに呼び掛ける。


<ちょ、ちょっと待って……パワーリーフ出したら、うちの力が……>


「もう、あんたが頼りなのに……」


 闇の帝王はその場に立ち止まっていた。


 どうやら、目が見えないことで、近くにある高層マンションの角で、足の小指をぶつけたらしい。


「やっは、帝王でも痛いんやなぁ。そやけど、あんなでかいの、どないしたらええやろ? 輝さんやったら、どう考えます?」


 球也は、輝を見下ろして言った。


 輝は妖精の世界で、巨大な怪物を相手にすることが何度かあった。


「俺の場合、チョロチョロ動けるスペースがあって、相手を翻弄しもって逃げ回りながら、その場にあるもので対応したが……やつは目が見えないし、見えたとしても、ここは住宅街。動けるスペースなんてないな」



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