テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

 そして各々が、1枚ずつ手に取った時……。


「俺にも分けてくれ……」


 そう言って手を伸ばしたのは、先程までグッタリとしていた輝だった。


 そんな輝に、コウヤが声をかける。


「おい、大丈夫か? お前、力を吸いとられてたんじゃねえのか?」


 輝は片ひざをつきながら、目を光らせた。


「このくらいのハンデをつけなきゃ、やつらがかわいそうだ」


 輝のその言葉に、みんな笑みを浮かべた。


 パワーリーフを口に入れると、青臭い匂いが、口いっぱいに広がった。だが、全身の力が、みるみるみなぎってくるのを感じた。


「うわっ!! こいつはすげぇ……今ならボブサップ200人くらい、まとめてきても勝てそうだ」


 勇樹は全身に力を入れて言った。


 コウヤも、自分の筋肉がいきり立っているのを感じていた。


「おう、スゲエな。そっちがボブサップでくるなら、こっちは、全世界のプロレス団体の世界王者集めて、ベルトをかけたバトルロイヤルしたら、全団体のベルトをモノに出来そうだ」


 そんなコウヤの肩を、勇樹がポンポンとかるく小突く。


「じゃ、それの最初の挑戦者は俺だな」


「初防衛戦は佐田勇樹か。相手に不足はないな」とコウヤは笑った。


「ちょっと! あんたたち、笑ってる場合じゃないでしょ!!」


 莉子が二人に一喝を入れる。


「輝さん、小さい体でさっきから一人で闘ってるんだよ!! あんたたちもいきなさいよ!!」


 見ると、輝が一人で鎧を着けた七人の闇の神仏、七不福神と暴れていた。


「ゲッ、出遅れた! 行くぞ佐田!!」


「偉そうに指図するなコウヤ!!」


 二人も闇の神仏に向かっていった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ