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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

「くそ……なぜ、こんな出来物までコピーなんだ……闇の一族が出来物に負けるとは……」


 闇の純化は涙目になりながら悔やんだ。


 コウヤが輝をおんぶしながら、闇の純化のそばに来た。


 輝は力を吸いとられたのか、コウヤの背中でグッタリとしている。


「なんだよ、俺がせっかく力で抑え込んだのに、出来物ひとつで分離までするのか?」


 コウヤはやや結果に不服そうだった。


 すると、球也が屋上の出入口を指差した。


「ちょ、ちょっと、あれ」


 みんな、球也が示す方へ、目を向けた。


 そこには、タクノアンをはじめ、コウヤと闘ったキツネ人間と、全身に鎧をきた者、それに真っ赤な阿弥陀如来のような物体がいた。


「来たか……」


 コウヤは、輝を莉子の側に寝かせたあと、しっかり相手を見据えて身構える。


 タクノアンはどうどうと先頭に立って、ニヤリと笑った。


「ほほう、坊やも一緒かね。どうやら、ここに来ていると言うことは、全員、あの世界に行ったものだな」


「て、ことは、やっぱりここがボスの登場の場なんやな」と球也は、ズイッと前に出て言った。


「ここがわかったってことは、やはり、どこでもカガミちゃんを持って行ったのはお主だったようじゃな」とタクノアンは、ズイッと前に出て言った。


「修練の鏡は全部割った。これ以上、力を上げることは阻止したぞ」


 そう言って、球也はさらに、ズイッと前に出た。


「我々の力をアップさせるのは鏡ばかりではない。人間どものエネルギーを吸収しているのだ。もう、かなりのエネルギーを集めたぞ」


 タクノアンも、また一歩、前に出た。


「だから、町が静かなんやな。それと、どこでもカガミちゃんて……しょうもないわっ!!」


 球也も、また一歩、前に出た。




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