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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

 笑っていた純化の口がガバッと、大きく裂けた。


「よくわかったわね。そうよ、そこの小坊主の言うとうり、私は異世界の純化、そう、妖精の純化だよ!! 」


「なんですって!!」


 もう一人の純化は、妖精純化を睨んだ。


「ねえ、あんたユングをどうしたんよ。どこにやったんよ!!」


「まあ、まて同士よ。つい数時間前まではお互い、1つの体におさまっていたではないか。神の力によって、お前は純粋な人間となり、私は妖精の純化、いや、闇の純化と細胞が別れ、それぞれの肉体を手に入れた。今宵は今まで一緒に過ごした者同士、パーティーでも開こうではないか」


 闇の純化は口を大きく開け、天を突き抜けるかのような高笑いを見せた。


「待て、闇の純化!」


 言ったのは球也だ。


「ん? なんだ小坊主」


「小坊主って、俺は一休さんじゃねぇ!! それに、俺は異世界の純化ってのを、まったく見抜いてなかったぞっ!!」


「どうでもいいわっ!!」と闇の純化がつっこんだ。


「おい、闇の純化、なぜユングを……ユングはどこだっ!!」


 コウヤが闇の純化の前に立ちはだかった。


「ユング? あぁ、あのおチビさんか。残念ながら………まだ生きてるよ」


「どこにいる?」


「それはね……私の体の中さっ!!」


 闇の純化は上着を破りすて、上半身をあらわにした。


 その瞬間、男性陣の目が一点に集中した。


 だが、「おおおぉぉ〜」という歓喜の声が、一瞬にして悲鳴と化した。


「うわぁぁぁぁーっ!!」


 闇の純化の胸からお腹のあたりまで、ユングこと輝の体が埋め込まれていた。輝は目を閉じてグッタリとしている。


「ユ、ユングさん!!」


 球也が呼びかける。


 その呼びかけには応じないだろうと思っていたその時、輝の目がカッと開いた。


「俺をもうユングと呼ぶなっ!! 藤山輝って名前だっ!! いい加減、こっちの名前で呼んでくれっ!!」



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