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修練の鏡と精霊の大地

第17章 村

「あなた達が出来なきゃ、私が止める!!」


 突然、ペタロが立ち上がった。


「あかんよ……絶対、死んでまうよ」と純化が止める。


「ほんまや、ペタロさん。あなたまで滅びることないよ」


 そう言ってる球也も複雑だった。ついさっき、自分がペタロ以外の村の妖精達と、闘っていたのだ。


 いや、闘っていたのは奈美と精霊達だったが……。


 ペタロは純化の腕をはらう。


「君達はどう考える!! ポポ(男)だけじゃなく、メメ(女)や子供達まで、ああやって神の使いによって、始末されているんだ!! あの中にも、いるはずだ!! 私と同じ考えをもつ同士が!! その者ばかり集まれば、きっといい世界がまた作れるではないか!! 君達が手が出せないなら、私がいくしかないだろっ!!」


「アッハッハッハッハッ!! もっともがけ!! もっと苦しめ!!」


 その声はヌカーだ。


 怪物達に見付からないように、木の影に隠れていたのだ。


「ペタロ、お前もわかっているだろう。なぜ、我々が神仏、天の者を嫌うのか……もう、いい加減、我々の本来の姿を見せるべきではないか!!」


 ヌカーは汗だくになりながら、叫ぶ。感染がひどくなっているようだ。


 ペタロはヌカーが持っていた、コーヒーの空き缶で出来た剣を拾いとった。


「わかっているさ……本当は闇と呼ばれていたのは我々なんだ。この村は暗黒仏と呼ばれ、天の者達が表なら、我々は裏の存在だったのだ!!」


 ペタロの衝撃の発言に、球也達は固まった。


「村や町は、姿を変えられた裏の神仏達。そこに出てきた怨念が形となり、我々妖精となった。だが、それは過去の話。中には私のように考え方を変えた者もいる」 



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