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修練の鏡と精霊の大地

第17章 村

 淀屋橋は頑張ったぞと言わんばかりに、鼻をふくらませている。


「おう、さっき、お釈迦様のところに行ってきてな。いろいろ聞いてきたわい。どうやら、お釈迦様に逆らって暗黒の釈迦と思って殴り込んでいった男女がいたらしいが、どうやら、返り討ちにあって消されたようじゃ」


 その男女、おそらく佐田勇樹と一緒にいた仲間であろう。


「いや、神様より、お釈迦様が怖いわ!! てか、どっちが正義かわからんし!!」


「大丈夫、お前達は襲わないように伝えておる。それに、いろいろと聞いてきたぞぃ」


「よく、こんな状況見ながら言えまんな……」


 忍者怪人が次々と刀で妖精をぶった切り、岩顔が上から押し潰す。


 まさに、阿鼻叫喚地獄絵図。


「やめろ!! 頼む、やめてくれっ!! 私達は仲間だ」とペタロが我が身を奮い立たせて、必死に交渉する。


「おじいちゃん、やめて!!」と奈美も心から訴える。


「奈美、よく頑張ったな。後は、わしに任せなさい」


「いや、おじいさんに任せたら、後々、孫を敵にまわしまっせ」


「いや、神様やお釈迦様は、この世界の妖精は人間の敵になると言っておったぞ」


「だから、確かにそうやけど、ちゃうねんて。おじいさん、妖精の中にも、人間と共存していきたいという、まともな考えをもってる人もいてんやて」


 それは、ペタロのことを言っていた。


 球也は、そのペタロの考えに賛同していた。


 いや、ほとんど寝ていたため、上っ面の話だけで行動している。



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