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修練の鏡と精霊の大地

第9章 病

「うわっ!! ぐあっ!!」


 外からは悲鳴が聞こえた。


「なにが起こってるんだ?」


 ペタロが、突然の異変に戸惑う。


「大丈夫か!」


 入り口から顔を出して、声をかけた者がいた。


 コウヤだった。


「コウヤさん……」と純化がか細い声で言った。


「純化、待たせたな。ペタロさんも無事のようだな。桃尻がくるから、いましばらく、ここに避難しててくれ」


 コウヤは純化とペタロが生きていることを確認すると、すぐさま外に身を向けた。


「きさまら……なにしてんだコラァっ!!」


 コウヤは村人に向かっていった。


 すると、今度は入れ替わりに莉子が来た。


「純化!!」


「……莉子……さん?」


 莉子は純化を抱きかかえた。


「水の精霊があってよかった。なにがあったの?」


 莉子がそう尋ねると、ペタロが代わりに答えた。


「感染者に対する暴動です。病の恐怖に侵されてしまうのです。ここまで変わるなんてことは初めてで、私もどうしていいのか……」


「キュウと奈美ちゃんはまだ?」


「まだ、戻られてません」


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