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修練の鏡と精霊の大地

第9章 病

 ペタロは純化の体に、毛布を被せた。そして、隣の部屋に走る。


「おいっ! あんたも出るぞ!! このままだと焼け死んでしまう!!」


 ペタロが感染した男を呼ぶ。


 だが、男は部屋でケタケタと笑っているだけだった。


「くそ……あまりの恐怖におかしくなったのか!? どうやって彼も助ければいいんだ」


 今の自分は一人を守るのが精一杯だった。


 純化も、村人の男も、死なせたくはない。


 だが、ペタロは医者でありながら感染者の一人でもある。


 徐々に体力が失われていく。今のままでは、純化も助けることはできない。


 火は中まで入ってきた。既に煙が充満し、視界も奪われる。


「ケホケホっ!! 万事休すか……」


 ペタロは純化を見た。純化は床に這いつくばっていた。




 ポツ





「ん!?」





 ポツ ポツ





 水滴が顔にあたる。




 すると突然、大量の雨が、焼けた隙間から降り注いできた。



 ザァーーと言う音が天井から聞こえる。




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