
オオカミさんの恋毒
第1章 出会いと挨拶
自分の目の前にいる亜弓に信じられないという気持ちが焦りを誘う。
「 あの… 臣くんは知ってるんですか?」
どうしよう、どうしよう…
私、どうしたらいい?
臣くん…
「 臣は、知らないから内緒で話したいの。時間作ってもらえない?」
なにを、話すの…
「 わ、わかりました… ちょっと待っててください 」
私は午後から来るバイトの出勤時間を確認する。
「 えっと… あ、今日は… 理央くんだ 」
私は亜弓の元に戻り話す。
「 時間ですけど、6時すぎでもいいですか?」
「 わかった。じゃ、手前の駐車場で待ってます 」
亜弓はそう言って行ってしまった。
大きく息を吐いて自分を落ち着かせようとしたが、なにを話すのかとそればかりが頭いっぱいになる。
こういう時に瑠璃さんいないんだから!
亜弓さん… きっと臣くんの事 話したいんだよね…
あ~ ダメダメ!考えちゃダメ!
私は深呼吸してからカウンターに入り切り花を分けていく。
臣くんに話した方がいいかな…
でも内緒でって言ってたから大事な話?
どうしよう、なに言われるんだろ…
