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第19章 恋の切なさ

「風邪を引いた時と同じ。消化の良い食べられるものだけ食べる。そうしてるうちに元気になるよ。あたしそれまで、真啓の傍にずっといてあげる。」

あたしはスマホで時間を確認して慌てて立ち上がり、お尻の砂を払った。

「真啓…あたしのこと海で助けてくれてありがとう。ちゃんとお礼を言って無かったから。」

真啓は優しく笑っていた。

「夏だったらきっと、怖い話をしてあたしを怖がらせていたと思うし、リツとだったら、ふたりでパニックになってたと思うし…助けてくれたのが、真啓で本当に良かっ…た。さぁ家に帰ろう?」

突然、真啓があたしを抱きしめた。

「ま…ひろ?」

大きくて温かな胸。背中をしっかりと支える大きな手。あたしは自分の手の置き場所に困った。

「華ちゃん…ゴメン…ごめんね…暫く…こうしててくれないかな?」

真啓が苦しそうに言った。真啓の胸に強く押し付けられて、あたしは呼吸が苦しくなった。

「ま…ひ…ろ?…息が…苦しい…よ。」

広い胸、真啓は爽やかな優しい香りがした。あたしの中で切なさが染みのようにじわじわと広がった。
真啓は泣いていた。

「泣かないで…真啓。あなたならきっと大丈夫。大丈夫だから…。」

あたしも真啓の背中に手を回してしっかりと抱きしめた。

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